なまずの会紹介

なまずの会は井戸の水位や温泉温度などを測ることから、地震と親しもうとする民間ボランティアグループです。

なまずの会の設立の趣旨
日本に住む限り、私たちは地震から逃れることはできません。
どうせ逃れることができないなら、こちらから押しかけていき、地震とおつきあいしてみたらどうでしょうか。
古くから、大きな地震の発生前に、井戸水の水位が上昇したり、温泉温度や量が増したりすることがあるといわれております。しかし、このような、異常変化は毎日、毎日、正確な観測を続け、記録することによって初めてとらえられるものです。何も異常のない「退屈なとき」の正確な記録・資料が実は一番重要なのです。
気の遠くなるような単調な観測を通して、自然の変化、私たちの生活環境の変化をつかみ取り、やがては地震予知につながる前兆変化を得るために、みんなで力を合わせ、地震に備えようではありませんか。
そこで「地震、恐れるより親しむべし」をモットーに井戸の水位や温泉の温度を測る会員を中心として、昭和51年に「なまずの会」を設立しました。
会員の構成
地震に関心をもつ民間ボランティアの方々によって構成されています。また、神奈川県の内外にお住いの14名の方に、観測会員として、井戸の水位や温泉温度の測定を継続していただいています。
観測井戸の写真
観測井戸(1)
各家庭にある井戸を利用して井戸の水位を測っています。

観測井戸の写真その2
   観測井戸(2)

報告用はがき
報告用ハガキ
1週間~10日に1回、測定結果を送っていただきます。
電子メールによる送信も行っています。
活動の概要
・観測会員の方には、井戸の水位や温泉温度を定期的に測定していただき、報告をお願いしています。さらに、日常の観測で異常を知った(感じた)時は事務局への通報をお願いしています。
・事務局では、月ごとに観測結果を整理し、会員にお返ししています。さらに、一年間の観測結果をとりまとめて、温泉地学研究所観測だよりに掲載し、会員にお送りします。

水位変化の例

水位変化の観測事例
1990年8月5日小田原直下の地震(M5.1)に伴う地下水位変化
(図中に色をつけたところが水位の異常と考えられています。)
温泉温度の観測事例
温泉温度の観測事例
昭和42(1967)年5月箱根強羅地区の温泉温度が急激に20℃ 上昇し、住民は噴火や大地震の前兆ではないかと心配しました。
異常高温の発生する約1年前、有感地震を含む箱根群発地震が発生しました。
群発地震は、大涌谷へ急激に上昇した高温熱水が原因と考えられています。
この高温熱水が、強羅方面に流れ下ったことで異常高温が発生したと考えられています。

地震の予知は難しいものです。 しかし、皆さん一人一人が関心を持つことから地震への取り組みを進めていきたいと考えております。

なまずの会事務局 神奈川県温泉地学研究所
 〒250-0031  小田原市入生田586
(電話)0465-23-3588 
(Fax)0465-23-3589