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更新日:2018年03月02日 作成者:ウェブ担当 閲覧数:2,738

10. まとめ

以上のことをまとめると以下の通りです。

  • 箱根火山では数年に1度くらいの頻度で、地下10 kmほどのところにあるマグマだまりに、マグマが供給され蓄積していることがGPSの観測から明らかになっています。また、このようなマグマ供給をうけて、地震活動が活発になることがわかっています。2001年には地震活動の他、噴気活動も活発になりました。
  • 2015年の噴火の前にも、4月初め頃からGPSで箱根火山の伸びが認められ、その後、地震活動、噴気活動が活発化しました。
  • 2015年噴火は2001年の群発地震に比べて地震活動が活発だったものの、GPSの観測から推定されるマグマだまりの膨張量や、地震活動のパターンには大きな違いが無いように見えます。
  • 一方で、噴火が起きた6月29日には地下浅部に開口割れ目が生じることに伴う顕著な地殻変動や地震活動が見られたほか、噴火の最中には火山性微動が認められました。
  • 地殻変動は7月末に停止したほか、地震活動も通常のレベルに戻りつつありますが、噴気活動は依然強いまま推移しています。
  • 今回の噴火ではたくさんのデータが得られ、今後詳しく研究解析をしていく予定です。このことにより、より詳しく箱根火山の地下で起きたことがわかるとともに、将来、再び箱根火山の活動が活発化した際に防災上適切な判断が出来ることが期待されます。

これらの成果は、2015年12月現在のものです。今後、研究の進展によって変更される可能性があります。

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