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 I−2 日本の温泉

(1)日本の温泉分布

わが国には、3000カ所を超える温泉地があり、日本のいたるところで温泉が湧出しています。下の図は日本の火山分布と温泉の分布を示してあります。日本列島は環太平洋火山帯の中でも火山活動が最も活発な地域です。火山は海洋プレートが日本海溝や南海トラフへの沈み込みに伴い、上部マントル物質が部分溶融しマグマが生じ地表に噴出すれば火山となります。火山地域が現れるラインを結んだ線を火山フロントといい、海溝のラインと平行に分布しています。おおむね火山フロントはプレートの沈み込みの深さ100kmに対応しています。
 下の温泉分布図は、1990年ころの日本の温泉地にあって泉温が25℃以上のものと25℃以下の温泉地を示してあります。この図から温度分布には地域性があり、特に25℃以上の温泉の分布を見てみると、火山フロントと重なり合うように分布していることがわかります。大規模な温泉地のほとんどは比較的新しい地質時代の火山地域に分布しており、これらの温泉は火山活動と関係が深いことから「火山性温泉」とよんでいます。
 ニセコ(北海道)、酸ヶ湯(すかゆ)(青森)、玉川(秋田)、那須(栃木)、箱根(神奈川)、別府(大分)、雲仙(長崎)等が火山性温泉となります。特に知床、西南北海道、東北脊梁地帯の温泉の周辺、伊豆及び山陰日本海側には高温泉が比較的集まって分布しています。
 一方、最近では都市部に1,000m以上の大深度温泉の掘削が盛んに行われています。これらの温泉は地下深くに向かうにつれて地温が上昇することにより暖められた地下水を温泉として利用しています。この種の温泉は火山活動と無縁なことから、「非火山性温泉」と呼んでいます。 

日本の火山分布と温泉分布の比較

 日本温泉協会出版「温泉」より大山正雄氏作図引用

 


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