II−4.大深度温泉 |
(1) 神奈川県の大深度温泉
大深度温泉とは、深度1000メートル以上の掘削により温泉を採取しているものをいいます。近年、掘削技術の進歩により1000メートルを超える大深度温泉が増加しており、従来温泉地でなかった地域に温泉が出現する傾向にあります。
大深度温泉は、水の循環などまだ科学的に解明されていないのが現状です。
神奈川県内の大深度温泉の分布図は下図のとおりです。
また、県内の大深度温泉の新規掘削源泉数は右図のとおり、1980年以降大深度掘削が始まり、掘削技術の進歩や掘削費用の低価格化により、1990(平成2)年以降は急激に掘削件数が増加しました。1989(平成元)年度には県内の大深度温泉は8源泉でしたが、その後は1993(平成5)年度には20源泉、1998(平成10)年度には32源泉、2003(平成15)年度には51源泉、2007(平成19)年3月末現在69カ所と増加しています。
(2) 温泉の孔底温度
地中の温度は、地表から深さ20メートルぐらいの間は気温に影響されて変化します。それより深いところでは、地球内部から伝わってくる熱エネルギーにより深さとともに温度が高くなります。その割合(地中増温率)はマグマなどの熱源がある火山地域では、もちろん大きいのですが、火山と縁遠い関東の平野部でも深さ100メートルにつき2〜3℃ぐらい温度が上昇することが知られています。
地表面の温度は、ほぼ、その場所の平均温度と考えられます。東京の年平均気温はおよそ15℃ですから、深さ1000メートルの地下の温度は15+2.5×(1000/100)=40℃ ぐらいであると予想されます。
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