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更新日:2011年04月12日 作成者:ウェブ担当 閲覧数:12,067

2011年東北地方太平洋沖地震の震源過程(改訂版)

2011年04月12日16時30分 掲載

首都直下地震防災・減災特別プロジェクトで展開している地震観測網(MeSO-net)において観測された波形を用いて、東北地方太平洋沖地震(M9.0)の震源過程の解析を行いました。
解析は、MeSO-netのうち、つくば-藤沢測線(TF)と入間-銚子測線(IC)の観測波形に、0.05‐0.5Hzのバンドパスフィルタをかけたものを使用しました。解析手法はバックプロジェクション法(例えば、Honda and Aoi, 2009 などを参考)と呼ばれるものです。加速度波形のうち、S波を含むと考えられる350秒間の波形を対象としています。
断層は、気象庁による震源を破壊開始点として、長さ600km、幅270kmの大きさを仮定しました。走向と傾斜角はそれぞれN200Eと12°です。
拘束条件として、破壊が震源(JMAによる)から4km/s以下の速度で伝播するものとし、各小断層上で80秒間の滑りを許可しています。
3月16日のバージョンとの違いは、震源位置を気象庁の一元化震源にしたことと、観測点補正値を導入したことです。

図1は、波形全体での地震波の放射強度の分布です。北側は三陸海岸の沖、南側は茨城県沖まで、地震波の放射域が伸びているのが分かります。震源付近から海溝軸に向かう領域と、福島県沖で放射強度の強い領域が見られます。Aは3月9日の地震、B,C,Dは本震後の大きな余震について、バックプロジェクション法で放射強度の分布を出したものです(コンターは、各地震で最大値で規格化して引いています)。これらの地震については、P波部分の波形を解析に使用しました。

強い地震波を放出した領域の推定

図1 強い地震波を放出した領域の推定

10秒ごとの破壊の伝播を示します。震源から浅いほうに向かって破壊が進み、海溝軸付近で強い放射域が見られます。宮城沖地震のアスペリティが破壊されたかどうかが、気になる点ですが、破壊開始から30〜70秒後あたりに地震波を出しているように見えます。しかし、全体からみると値は小さいので、完全に破壊されたかどうか、確かなところは分かりません。断層破壊は、最終的には茨城県の陸域方向に向かって進み、約150秒で終わっています。破壊の伝播速度は、平均するとおよそ2km/sです。
破壊の伝播の様子

図2 破壊の伝播の様子


3月16日バージョン
これらの結果は、今後の研究の進捗によって変更される場合があります。

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