よくある質問
1.箱根山にいるときに下から突き上げる様な揺れを感じましたが、震度情報が発表されないのはなぜですか?
箱根山で地震が発生した時に、箱根山(箱根カルデラ内)では下から突き上げるような揺れを感じるのに、震度速報が出されないことがあります。
その原因の一つが、気象庁による震度速報に利用される計測震度計(地面の揺れを検知し、震度を計測する装置)が箱根山のふもとである箱根町役場に設置されているためです(図1)。箱根で地震が発生する場所は箱根カルデラ内がほとんどなため、地震が発生する場所と計測震度計が設置されている場所が水平距離で約8km離れています。
それに加えて、地震が発生する深さも関係しています。箱根で発生する地震は非常に浅い場所で発生する特徴があります。ほとんどの地震が深さ5kmより浅い場所でおこります。地震の発生場所が非常に浅い場合、地震の規模が小さくても震源の直上では地震波のエネルギーがあまり減衰しないため局所的に強く揺れますが、一方で震源から少し離れるとほとんど揺れなくなるということが起こります(図2)。 箱根で起こる地震のほとんどは規模が小さく、地震の規模を示すマグニチュードは大きくても3程度です。経験的にみてマグニチュードが1.5を超えるあたりから、箱根山にいる人には揺れを感じることがありますが、その震度は震度1~3程度がほとんどです。ただし、上記のように震源の真上に当たる場所では、まれに非常に狭い地域でそれより大きな揺れが起こることもありますので、棚のものが落ちないような注意が必要です。
上記のような揺れを感じた際は当所のホームページでご確認いただくか、お気軽にお問い合わせください。温泉地学研究所では、箱根山でマグニチュード1.5以上の地震が発生した場合、こちらから、地震発生時刻等をご確認いただけます。
なお、震度はその場所の揺れの大きさを表す指標であり、マグニチュードは地震そのものの大きさ(エネルギー)をあらわす指標で、それぞれ異なる意味を持つことにご注意ください。震度とマグニチュードとの関係については、こちらのページにおいて詳しく記載されております。
箱根山の群発地震活動や火山防災体制などについては、箱根町ホームページのこちらのページもご参照ください。
その原因の一つが、気象庁による震度速報に利用される計測震度計(地面の揺れを検知し、震度を計測する装置)が箱根山のふもとである箱根町役場に設置されているためです(図1)。箱根で地震が発生する場所は箱根カルデラ内がほとんどなため、地震が発生する場所と計測震度計が設置されている場所が水平距離で約8km離れています。
それに加えて、地震が発生する深さも関係しています。箱根で発生する地震は非常に浅い場所で発生する特徴があります。ほとんどの地震が深さ5kmより浅い場所でおこります。地震の発生場所が非常に浅い場合、地震の規模が小さくても震源の直上では地震波のエネルギーがあまり減衰しないため局所的に強く揺れますが、一方で震源から少し離れるとほとんど揺れなくなるということが起こります(図2)。 箱根で起こる地震のほとんどは規模が小さく、地震の規模を示すマグニチュードは大きくても3程度です。経験的にみてマグニチュードが1.5を超えるあたりから、箱根山にいる人には揺れを感じることがありますが、その震度は震度1~3程度がほとんどです。ただし、上記のように震源の真上に当たる場所では、まれに非常に狭い地域でそれより大きな揺れが起こることもありますので、棚のものが落ちないような注意が必要です。
上記のような揺れを感じた際は当所のホームページでご確認いただくか、お気軽にお問い合わせください。温泉地学研究所では、箱根山でマグニチュード1.5以上の地震が発生した場合、こちらから、地震発生時刻等をご確認いただけます。
なお、震度はその場所の揺れの大きさを表す指標であり、マグニチュードは地震そのものの大きさ(エネルギー)をあらわす指標で、それぞれ異なる意味を持つことにご注意ください。震度とマグニチュードとの関係については、こちらのページにおいて詳しく記載されております。
箱根山の群発地震活動や火山防災体制などについては、箱根町ホームページのこちらのページもご参照ください。
2.箱根山ではこれまでにどのような地震活動があったのですか?
箱根山は現在でも活動的で、箱根カルデラの地殻内の非常に浅い場所で地震が発生しています。ここ17年間で発生した地震の数は14,000回を超え、日本の中でも非常に地震活動が活発な場所であると言えます。ただし、これらの地震のほとんどは、地震の規模を表すマグニチュードが1以下であり、揺れを感じることはありません。
1995年4月~2011年12月までの地震の積算数の時間推移を図3に示します。箱根山では、平常時で一日数個程度地震が発生します。ただし、地震数が急激に増えることが時々起こります。図中の灰色で記した期間は、特に活発な地震活動があった時期を表し、2001年、2006年、2008年~2009年、2011年3月(東北地方太平洋沖地震直後)が特に地震が活発な時期でした。
特に2001年の活動は、過去20年間でもっとも活発なものでした。このときは地震活動の活発化だけではなく、地表においても大涌谷の北側斜面に新たな噴気域が出現し、温泉を造成するための蒸気井が暴噴するような現象がおこりました。大涌谷北斜面の新たな噴気域については、現在も活動が続いています。
また、2001年、2006年および2008年の活発な群発地震の際には、箱根火の山体が東西方向にわずかに膨張する地殻変動(山体膨張)も観測されています。この地殻変動を引き起こした原因については、箱根山の下深さ約10km付近にあるマグマ溜まりと考えられる場所の圧力が増加したことによると考えられています。
1995年4月~2011年12月までの地震の積算数の時間推移を図3に示します。箱根山では、平常時で一日数個程度地震が発生します。ただし、地震数が急激に増えることが時々起こります。図中の灰色で記した期間は、特に活発な地震活動があった時期を表し、2001年、2006年、2008年~2009年、2011年3月(東北地方太平洋沖地震直後)が特に地震が活発な時期でした。
特に2001年の活動は、過去20年間でもっとも活発なものでした。このときは地震活動の活発化だけではなく、地表においても大涌谷の北側斜面に新たな噴気域が出現し、温泉を造成するための蒸気井が暴噴するような現象がおこりました。大涌谷北斜面の新たな噴気域については、現在も活動が続いています。
また、2001年、2006年および2008年の活発な群発地震の際には、箱根火の山体が東西方向にわずかに膨張する地殻変動(山体膨張)も観測されています。この地殻変動を引き起こした原因については、箱根山の下深さ約10km付近にあるマグマ溜まりと考えられる場所の圧力が増加したことによると考えられています。
3.ドーンというという音が連続的に聞こえたり、同時に地鳴りがしているように感じることがありますが、箱根の地震と関係しているのでしょうか?
自衛隊(東富士演習場)による演習が行われると、風向きによっては箱根全体から足柄平野付近にかけての広い範囲で“ドーン”という音が連発して聞こえたり、空気の振動が
伝わってくる場合があります。
箱根の地震は浅い場所で発生するため、たまに地震発生時に地鳴りや鳴動をともなうことがありますが、震源のごく近傍でしか感じられないことが多く、箱根全体や足柄平野にかけての広い範囲で聞こえることはありません。また、箱根で発生している地震か演習による音波かは、波の伝わる速さが違うため、地震の波形データを解析することにより識別できます。演習による音波の場合、箱根山の中で震源位置が決定されることはありません。
不安を感じた際は、当所のホームページで最新の地震活動をご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。
箱根の地震は浅い場所で発生するため、たまに地震発生時に地鳴りや鳴動をともなうことがありますが、震源のごく近傍でしか感じられないことが多く、箱根全体や足柄平野にかけての広い範囲で聞こえることはありません。また、箱根で発生している地震か演習による音波かは、波の伝わる速さが違うため、地震の波形データを解析することにより識別できます。演習による音波の場合、箱根山の中で震源位置が決定されることはありません。
不安を感じた際は、当所のホームページで最新の地震活動をご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。