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更新日:2022年07月27日 作成者:ウェブ管理者 閲覧数:882

箱根火山の立体模型を作ろう!

 このページでは、お弁当パックのふたを使った簡単な立体地形模型を作成する方法について紹介します。立体地形模型の作成をとおして、箱根の地形の成り立ちについて勉強しましょう!

用意するもの

  • お弁当パックのふた 同じものを6枚(13cm×13cmよりも大きいもの)

     ※動画で使用しているのは、福助工業社製のTR-36Fというふたです。

  • 下絵(ダウンロード)※A4サイズの用紙に印刷して下さい。
  • 油性ペン
  • セロハンテープ
  • ハサミ
  • 文庫本など ※線をなぞる時に土台として使用。お弁当パックのふたと同じくらいの厚みのもので代用可。
  • 消毒用アルコール ※失敗してしまった時に、線を消すために使用。

※その他に、コンビニのお弁当パックのふたなどで、ふたを重ねた時に高さがつかない場合は、ストローや割り箸などを用意すると、スペーサーとして利用できます。
※おまけの富士山の下絵(ダウンロード)※お弁当パックのふたを7枚使用します。

作り方

以下の動画をご覧下さい。


※お弁当のパックの代わりに、割り箸とラップを使ってフレームを準備する方法もあります。
 

作った模型を見て考えてみよう!

  • 芦ノ湖はどれくらいの高さにあるかな?
  • 箱根の中で一番高い山はどこかな?
  • 中央火口丘と外輪山がどこにあるかわかるかな?
 (下絵にある山頂(×印)は、それぞれどちらの山かな?)

解説:箱根火山の地形と成り立ち

 箱根火山(はこねかざん)は東西約8km、南北約11kmに渡る凹地(中央が凹んだ地形)が特徴的な火山です。このような凹地状の地形のことを、スペイン語で鍋を意味する、カルデラと言います。箱根のカルデラ地形は、火山の地下にあったマグマが大規模な噴火に伴い抜けた結果、陥没してできた地形です。箱根火山は、このようなカルデラ地形が特徴的な火山で、凹地を取り囲む山々を外輪山(がいりんざん)、凹地の中に新たに形成された山々を中央火口丘(ちゅうおうかこうきゅう)と言います(図1)。
箱根の空撮写真。カルデラの全景がわかる。

図1 箱根火山の地形(写真提供;箱根ジオパーク推進協議会事務局)

 箱根火山は、約40万年前から活動している火山で、現在も活動をしている活火山(かつかざん)です。40万年前と聞くと、非常に古いと感じるかもしれませんが、地球ができたのは約46億年前で、それに比べるとごく最近の活動ということになります(地球を人間の一生(80歳)に例えるとわずか2.5日前のことなります。)。箱根火山は、その40万年間の活動の中で、様々な火山活動を繰り返し、現在の形になりました。上で紹介したカルデラ地形の形成は、約23万年前頃の噴火がきっかけだったと考えられています。約6万6千年前には、箱根火山で最大規模となる噴火が発生し、この時の火砕流は遠く離れた横浜や三浦半島まで到達しています。またこの時に噴出した火山灰は関東一円で広く観察されます。約4万年前以降は、現在の中央火口丘の山々を作るような噴火を繰り返しています。箱根火山で、マグマを噴出する噴火によって一番最近に形成された山が、大涌谷(おおわくだに)にある冠ヶ岳(かんむりがたけ)で、約3,000年前に形成されました(図2)。また、その時に、大涌谷周辺の山々が崩れて、川をせき止めた結果、芦ノ湖(あしのこ)が形成されました(図1)。
とんがり帽子みたいな山の写真

図2 冠ヶ岳

火山の地形の違い

 火山は、地下から噴出したマグマが冷えて固まることによりできます。火山の形は様々ですが、それを決める要因の一つとしてはマグマの粘性(ねんせい)があります。粘性とはマグマのネバネバ具合のことを言います。粘性が高い、すなわちネバネバのマグマは、噴出した場所からあまり動かずにその場で固まって、ドーム状の地形を作ります(図3)。一方で、粘性が低い、すなわちサラサラのマグマの場合は、その場に留まらずに、どんどん流れていきます。もしかしたら、ハワイなどの噴火でマグマが流れていく様子を、動画などで見たことがある人もいるかもしれません。
ドームの形をした山々が連なる写真

図3 溶岩ドームを形成する箱根火山中央火口丘の山々。手前から、下二子山、上二子山、駒ヶ岳。

 また、活発に活動している火山は、どんどん地下から新しいマグマが出てきて、新しい山を作っていくので、火山活動でできた山の地形がそのまま残っています。例えば、富士山(ふじさん)は綺麗な円錐形をしていますが(図4)、現在、富士山の地表に見えている部分は、約1万年前以降に繰り返し噴火した結果として、あのような円錐形をしています。一方で、箱根火山は、中央火口丘については比較的最近活動しており溶岩ドームなどの地形が残っていますが、富士山ほど活発な活動をしていません。また、外輪山は、箱根の活動の中でも初期の噴火で形成された部分です。そういう場所では、火山噴火によって新しい地形が作られるよりも、河川や谷により、山が削られていく速度の方が早くなります。このような作用のことを侵食(しんしょく)と言います。侵食の結果として、火山噴火によって作られた元々の地形が失われ、多くの谷によって刻まれたような地形が形成されます(図5)。
綺麗な円錐形をした富士山の写真

図4 箱根の外輪山から見た富士山

地形データから作った箱根周辺の地図

図5 箱根火山周辺の地形。国土地理院の10mメッシュ標高データから作成。

リンク

もっと詳しく知りたい人は、下記のページを参考にしてください。
 
観測だよりにおける紹介記事
道家涼介(2017)箱根火山の立体模型をつくろう,神奈川県温泉地学研究所観測だより,67,23-30.

箱根ジオパーク
https://www.hakone-geopark.jp
 
気象庁の箱根山の解説ページhttps://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/315_Hakoneyama/315_index.html
 
日本の火山(産総研の火山データベース)
https://gbank.gsj.jp/volcano/index.htm

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