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更新日:2015年07月28日 作成者:ウェブ担当 閲覧数:11,089

箱根山の2015年噴火で生じた火口・噴気孔群について

箱根山は2015年6月29日に、ごく小規模な噴火を開始しました。温泉地学研究所では噴火直後からこの噴火で生じた火口や噴気孔の観察をはじめましたが、全貌がようやくわかってきたので、報告書を火山噴火予知連絡会に提出いたしました。

【報告書の概要】

  1. 大涌谷の直径約150mの範囲内に、火口4個、噴気孔のうち活発なものが15個確認できました。なお、今回の噴火で生じた火口や噴気孔は大きさや噴出物の種類が様々でした。噴出物は大きい噴石、火山灰、水蒸気などですが、全てを出すものがある一方で、火山灰と水蒸気を出すもの、水蒸気しか出さないものとバリエーションに富んでいました。今回は、29日から30日にかけて噴石丘(注1)を作ったものを火口、それ以外を噴気孔と呼ぶことにしました。
    注1:噴石丘(火口から噴出した噴石等により火口周辺に出来た丘)
  2. 噴石丘が形成されたのは、火口・噴気孔群の南端の部分でした。火口は6月29日に15-9(注2)、30日の日中に15-6と15-5、30日の夜以降に15-1が形成されたことがわかりました。新たな火口が出来ると、それまで活発だった火口は活動をほとんどやめたこともわかりました。なお、30日の日中に撮影され、テレビ等で報道された火口は、15-5火口であることがわかりました。
    注2:15-番号(今回の噴火に伴って確認された火口、噴気孔の仮の名前)
  3. 6月29日午後に大涌沢で小規模な火山泥流が観察されましたが、その源の沢が特定されました。この沢は、大涌沢駐車場など緊急時退避する場所が確保されている所から観察しづらいところにあるので、今後ドローン等の調査により、火山泥流がなぜ発生したのかを調査・検討します。
  4. 火口・噴気孔の分布範囲は、これまで人工衛星による干渉SARという手法で検出されていた局所的な隆起域と重なることがわかりました。
  5. なお、今回の火口および噴気孔の名前は仮のもので、今後関係機関と調整の結果、呼び方を変更する場合があります。

以上

2015年7月28日掲載

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