9.今後の課題

図9-1
図9-1 大涌谷に設置されたタイムラプスカメラの画像から推定される噴気量の変化(中段と下段のグラフ)と仙石原の気温(上段のグラフ)。ここでは画像のピクセル(画素)のうち白いものの数を噴気の量と見なしてその時間変化を見ている。中段は気温の補正をしていないもの、下段は気温の補正をしたもの。噴気は噴火直後から9月ごろまで高い状態が続いていたが、10月以降は噴火前の噴気量に戻っているように見える。
 2015年11月20日にレベルが1に下がりましたが、活発な噴気活動は継続中です。火口・噴気孔からは火山ガスが放出されており、大涌谷の駐車場では多いときで10ppm程度の二酸化硫黄が観測されています。通常、大涌谷で放出されている火山ガスは硫化水素で、これはいわゆる玉子の腐った臭いがします。一方、二酸化硫黄は刺激臭として感じられ、ぜんそく患者など呼吸器が弱い人が吸うと数ppmで生命に危険がおよぶことがあるとされます。硫化水素以外に、二酸化硫黄が火山ガスに含まれるようになったのは、現在放出されている噴気が高温なためです。 2001年の火山活動活発化の際にも噴気が強くなりましたが、主要な噴気は暴噴した蒸気井から発生していました。このため噴気がある程度減衰した段階で、井戸に工事をほどこし、噴気を止めることが出来ました。しかし今回は多数の火口・噴気孔が自然に開口しています。このため、二酸化硫黄の濃度が下がるには、噴気の温度が下がったり、噴気の量が減ったりするのを待つ必要があります。しかし、現在のところ噴気の量は噴火直後ほどでは無くなったものの、5月ごろから始まった噴気の活発化前には戻っていません(図9-1)。

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