2025(令和7)年7月23日に発生した箱根火山での群発地震について
7月24日2時 更新
7月 24日1時 掲載
2025(令和7)年7月23日21時49分に発生した箱根の地震(温地研によるマグニチュードは3.6、速報値)ならびにその前後に発生している群発地震について報告します。
1. 地震活動の概要
箱根火山西部、芦ノ湖の南岸の元箱根付近では、7月20日ごろより微小な地震活動が増加しています。
7月21日午前4時29分にはM2.9の地震が発生し、その後群発的な地震活動が半日程度継続しました。
22日にはこの地震活動は収まりつつありましたが、23日21時49分にはM3.6(温地研による速報)が発生し、再び群発的な活動が発生しております。
7月24日午前0時時点での観測状況は以下の通りです。
- 最大地震の発生時刻:7月23日21時49分
- 最大地震のマグニチュード:M3.6 (当所推定、速報)
- 震源位置:芦ノ湖・元箱根付近
- 地震個数:7月20日から23日までの累計で113個
- 震度:7月23日21時49分の地震により、気象庁による発表で箱根町(湯本)・小田原市・湯河原町・静岡県熱海市・三島市・沼津市・函南町・裾野市・長泉町・伊豆の国市・伊豆市・富士宮市で震度2を観測しています。当所が独自に設置した箱根町内の観測点においては、二ノ平観測点で震度4相当、仙石原・大涌谷・元箱根の各観測点で震度3相当が観測されています。
なお、地震のデータは今後精査しますので、個数やマグニチュード等が変わることがあります。
2. 地震以外のデータの状況
これまでのところ、地殻変動データや火山ガスの観測データに変化はありません。
当所では、引き続き地震や火山活動の推移に注意して観測を継続してまいります。

図1. 2025年7月に発生した元箱根付近での震源分布(赤丸)と7月23日21時49分(M3.6)の震源位置(星印)。黒枠内の地震のみ表示している。

図2. 7月20日以降の地震数とマグニチュードの時間推移。緑色の丸印がマグニチュード(左軸)を示し、赤い線は地震の累積個数を示す。