2021年12月3日山梨県東部・富士五湖の地震について
2021年12月03日12時20分 掲載
12月3日に発生した地震(最大はM4.9、速報値)について、9時時点での状況をまとめます。
現在の地震活動については、こちらの震源分布図をご覧ください(10分毎に自動更新)。
なお、以下の情報は速報値に基づくものを含んでおり、今後の解析の結果によって変動する可能性があります。
12月3日に発生した地震(最大はM4.9、速報値)について、9時時点での状況をまとめます。
現在の地震活動については、こちらの震源分布図をご覧ください(10分毎に自動更新)。
なお、以下の情報は速報値に基づくものを含んでおり、今後の解析の結果によって変動する可能性があります。
1. 地震活動の概要
温泉地学研究所では、2021年12月3日0時から8時までの間に、丹沢山地(当所地域区分)において8回の地震を検出しました。
・この一連の地震の震源分布を図1に、発生時刻、マグニチュードおよび深さを表1に示します。
・現時点の解析でこの一連の地震活動の最大のマグニチュードを4.9と推定しています(表1)。
・この最大地震の震源メカニズムを解析した結果(図1)から、この地震は、北北⻄方向に約30度の角度で沈み込む断層面を境に、下盤側が北⻄方向にずれ動く断層運動により引きこされたと解釈できます。
・断層の下盤側の動きはフィリピン海プレートの運動方向とほぼ同じであり、震源の深さを考慮すると、フィリピン海プレートの沈み込みに伴ってその上面付近で発生した地震であると考えられます。
・今回の地震活動はプレートの沈み込みに伴うものであり、火山活動との直接の関係はないと考えられます。また、過去にこの地域で発生した地震により、富士山や箱根山の火山活動が高まったという事例はなく、今回の地震発生後も富士山や箱根山の火山活動に現時点で特段の変化はみられていません。
当所では、引き続き地震や火山活動の推移に注意して観測を継続してまいります。
2. 過去の活動
・当所では、2012年01月28日07時39分にマグニチュード5.1、2012年01月28日07時43分にマグニチュード5.4の地震を検出しており(図1)、それ以降現在までマグニチュード4.9を超える地震を検出しておりません。
・2012年の震源決定地震数を表2に示します。表2を見ると、丹沢山地では、2012年1月28日に発生したマグニチュード5を超える地震に伴い、同年3月まで地震活動が活発であったとみられます(余震活動)。