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更新日:2024年05月07日 作成者:ウェブ管理者 閲覧数:379

2023年「分析化学」論文賞の受賞について

温泉地学研究所の職員による研究論文が、公益社団法人日本分析化学会の2023年「分析化学」論文賞に選ばれました。表彰式は同会の年会(9月)で行われる予定です。
 
詳細は以下の通りです。
 
受賞論文:
木村凜太朗*・萬年一剛**・熊谷英憲***†・松井洋平***・伊規須素子***・高野淑識***(2023), 箱根温泉・大涌谷の「黒たまご」黒色物質の起源推定, 分析化学, 72 巻, p. 249-256.
(*広尾学園中学校高等学校;**神奈川県温泉地学研究所;***海洋技術研究開発機構;†現・学習院女子大学)
 
受賞理由(「ぶんせき」誌に掲載されたものの要約)
 本論文は、箱根温泉・大涌谷の「黒たまご」について、卵殻に薄膜状に発達した黒色物質が、1)クエン酸などにより卵殻から物理的に分離可能であること、2)自然硫黄を若干含むものの非晶質に富む物質であること、3)炭素、窒素、硫黄などの元素から構成されること、4)O−H結合、脂肪族C−H結合、アミド結合、C−O結合などの化学結合がみられ、多様な有機分子群が含まれていること、5)タンパク性アミノ酸や脂肪酸の存在が示唆され、メイラード反応などによる高分子化が起きていることが示唆される高分子結合体有機物であること、の5つの化学的特徴を有する事を明らかにした。多角的な解析により黒色物質の正体を明らかにしたこと、著者らの純真な探究心と先入観にとらわれない科学的な姿勢が評価され、2023年「分析化学」論文賞に値すると認めた。
 
なお、この論文は日本たまご研究会から、第5回エコたま表彰を受けました(2023年11月11日)。

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