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更新日:2024年04月18日 作成者:ウェブ管理者 閲覧数:855

The 2023 EPS Excellent Paper Awardの受賞について

温泉地学研究所の職員による研究論文が、EPS Excellent Paper Awardを受賞しました。この賞は、国際学術誌Earth, Planets and Space(EPS)に掲載された論文の中から優れた論文を表彰するために2016年に創設され、過去5年間に出版された論文の中から原則として年間に1本の論文を選び表彰するものです。今回は、2018年から2022年の5年間にEPS誌で発表された970件の論文の中から選ばれました。
 
詳細は以下の通りです。
 
受賞した賞:EPS Excellent Paper Award 2023
 
受賞論文:
萬年一剛・行竹洋平*・菊川城司・原田昌武**・板寺一洋・竹中 潤***
Kazutaka Mannen, Yohei Yukutake*, George Kikugawa, Masatake Harada**, Kazuhiro Itadera and Jun Takenaka*** (2018) Chronology of the 2015 eruption of Hakone volcano, Japan: geological background, mechanism of volcanic unrest and disaster mitigation measures during the crisis. Earth, Planets and Space 2018 70:68. https://doi.org/10.1186/s40623-018-0844-2
(*現・東京大学地震研究所;**現・県環境科学センター;***気象庁。*および**は出版当時温泉地学研究所。その他はいずれも温泉地学研究所)
 
以下は、EPS誌のホームページに掲載された英文(https://www.earth-planets-space.org/ja/news-ja/epa2023-jp)をもとにした受賞理由です。
 
 水蒸気噴火の予知は極めて困難であるが、その前兆現象については様々な報告がある。しかし、それらの前兆現象に関する一般的な理解はいまだに十分でない。萬年ほかによるこの論文では、2015年に箱根火山で発生したごく小規模な水蒸気噴火について、熱学的、電磁気学的、測地学的、地震学的、地球化学的手法による様々な前兆的な観測と、表面現象の変化に関する観察事実を組み合わせて、火山活動の活発化と噴火を引き起こしたマグマ–熱水系の物理モデルを構築した。火山活動に関するこのような統合的理解は、行政が防災対応策を実施するために不可欠である。本論文では、箱根火山の地質学的背景と過去の火山活動について優れたレビューを行い、著者らの火山の観測・監視に関する長年の努力を要約している。また、この論文の最後で、著者らは物理モデルと既存研究を組み合わせることによって、防災対応策の課題と限界、展望を論じた。このように、この論文は、火山学および火山災害軽減への重要な科学的貢献であることから、2023年EPS優秀論文賞にふさわしい。
 
なお、この論文は2021年に日本火山学会論文賞を受賞しています(https://kazan-g.sakura.ne.jp/J/doc/awards/VSJ_Best_Paper_Award/28.html)。
 
また、本論文の日本語での解説記事も当所ホームページに掲載されています(https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/volcano-geology/EPS-hakone/20180531-02.html
 
【解説】
Earth, Planets and Space (EPS) 誌は、Journal of Geomagnetism and Geoelectricity (JGG) 誌とJournal of Physics of the Earth (JPE) 誌の後続誌として1998年に創刊された地球科学の総合国際学術雑誌で、地球電磁気・地球惑星圏学会、日本火山学会、日本地震学会、日本測地学会、日本惑星科学会の5学会が共同で発行する、誰もが無料でWeb上で閲覧できるオープンアクセス誌です。
 
箱根火山2015年の噴火後に、この噴火や他火山での類似現象に関する論文をまとめた、EPS誌の特集号が企画・発行されました。(https://www.onken.odawara.kanagawa.jp/volcano-geology/EPS-hakone/
https://www.springeropen.com/collections/hkn

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